2014年02月19日

大雪

想像以上の大雪、対応に汗をかいています。
とても寒いのに、冷や汗と雪かきの汗。。

前回は30センチくらいで「けっこう積もったねぇ」なんて言って写真などを撮る余裕がありましたが、
今回は言葉もなく、ましてや写真を撮るような心境ではなく、
ただただ不安の中必死で雪かきをして過ごしていました。

昨日までまた雪の予報だったので、いったいどうなるんだ!と焦っていましたが、
今日は曇りの予報に変わり、車で町にも降りることができてやっと一息ついたところです。

大雪のあと15日の朝、まだ雪がちらつく中、鶏舎やハウスなどが心配で状況を見に行こうとしたたけちゃん。
「危ないから気を付けて!」と送り出すと、1分もしないうちに戻ってきて、
「無理だ、歩くことさえできない。」と。
積雪はたけちゃんの腰近く、80センチは積もっていました。

とにかく道にでなくては!と、必死で雪かき。
県道までが遠いこと遠いこと。。
結局県道に車を出せるようになったのは16日の午後でした。
いつもは何気ない距離なのに、雪があるとこんなにしんどいのか・・・と疲労。。

車が出せるまではなんとか歩いて鶏のエサやり、水くれができたので、鶏たちは元気で一安心。
鶏舎の屋根は折れてはいるものの、落ちてはこなかったのでなんとか大丈夫でした。
ハウスもやっと見に行くと、多少の歪みはあるものの、ペシャンとは潰れていませんでした。
安堵で思わず涙が溢れました。

種を蒔いた場所はどうなっているだろう、野菜たちはどうなっているだろう、
いっこうに雪の溶ける気配がないのでまだ確認ができませんが、
きっと大丈夫!と祈るような気持ちで自分に言い聞かせています。

今日は18日。
少し落ち着きを取り戻しつつありますが、現状を知れば知るほど現実的な不安もうまれてきてしまいます。
ただ、そんな中でも嬉しい出来事がありました。

昨日、17日はわかきの2歳の誕生日だったのです。
本当はじーちゃんばーちゃんも呼んでの楽しい誕生日会の予定でしたがもちろんそれは中止。
ささやかですが、私がケーキを作りお祝いしました。

ロウソクを立てただけでずいぶん喜び(笑)、「おいしいよ」という言葉を初めて使ったときにはとても感激しました。
もし2年前、わかきが産まれるときにこの雪だったらどうなっていたんだろう、
この雪の中陣痛がきたらどんなことになっていたんだろう。。。
そう思うと、何事もなく無事産まれてくることがどんなに有難いか、
こんな状況でも変わらず元気いっぱい笑顔でいてくれるわかきを見て涙がこぼれました。

ありがとう、ありがとう。
生きているんだから、また頑張ればいいよね!と今は前向きなとちの実なのでした(笑)。

以下、園主
14日から降り始めた雪、先週35㎝くらい積雪があって鶏舎やハウスへの被害がなっかたので、今回は前回より積雪が少なくて大丈夫だろうと楽観していました。
14日の夜になり気象庁のHPをみると大雪警報が発令されていて、降水量の予想がとても大きいので不安になりました。
15日の朝2時には目が覚めて外をみると前回を超える積雪に驚きました。50~60㎝くらいは積もっているようでした。
最新の天気予報でもこれから降水量がどんどん増すようで不安から焦り、恐怖に変わりました。
その間、3回停電があり、より恐怖が増しました。ヘッドライトや携帯電話を充電したり、外の軒下の薪をストーブの周りに補充したりしました。本を読もうとしましたが手につかず集中できませんでした。少し頭がパニックになりました。
途中嫁も起きてきましたがしばし、無言が続きました。ケーキを焼こうとしていたり、プリンを作ろうとしていて冷静な姿勢に驚きましやりた。
朝の6時30分頃、まだ強い雪が降り続けるなか、外が明るくなりました。最初に一番遠いトマトのハウスを見に行くと嫁に言うと、行っても何もできない、命の方が大切だといわれました。ただ心配で無事か見たかったのです。
そして田植え用のゴム足袋をはいて玄関を開けて雪の中に足を踏み入れました。2、3歩進みましたがすぐに引き返して家の中に戻りました。嫁に、歩いてトマトハウスまで行けないと言いました。自分の太もものつけねくらいまで雪が積もっていて、とても長い距離歩けませんでした。育苗ハウス、トマトハウスは遠いので見に行くことを諦めました。
鶏にはえさと水をやらなければならないので歩いて向かいました。携帯電話、杖代わりのコンクリートを混ぜる長いこてを持ち自分の体を支えながら1歩1歩ゆっくり進みました。
普段毎日見ている障害物のない道路なのに、今回雪の海原に進み入る異様さに不安になりました。そして誰も歩いていない雪の海原を歩くのはとても困難で不安でした。晴れていれば、気持ちの持ちようも変わりますが、この雪の海原、強い雪に途中動けなくなって遭難してしまうのではと恐怖を感じました。鶏舎まで400~500mくらいなのですが息を切らせながら何とか鶏舎までたどり着きました。
想像以上に体力を消耗してしまいえさ、水やりは諦めました。鶏舎の方が積雪が多く、今にも潰れそうなので中に入ったら危険だと思い、とりあえず中の鶏の無事を確認してすぐ鶏舎から逃げました。その場にいるのが恐怖でした。そして同じ道を家に向かって歩きました。ただ帰りはさっき自分が歩いてきた足跡があったので気持ち的にだいぶ楽でした。家にたどり着いて、これはただ事でないことを嫁に話しました。
とりあえず朝食を食べて体力を取り戻そうとしましたが、不安と恐怖でご飯がのどを通らず、頭の中に鶏舎とハウスが潰れるイメージばかり浮かび、もう農業は続けられないと思い、弱音を嫁に吐きました。嫁には希望を持たないでどうすると強い口調で怒られました。無事大丈夫と信じていると言われました。
10時ころに雪がやみもう一度鶏舎に向かいました。雪かきして通路を確保しえさと水やりをしました。そして鶏舎の様子をじっくり観察しました。屋根が波うっていたので詳しくみると、木が折れて屋根が落ちてきていて潰れかかっていました。あと何時間持つのだろうか。それともしばらく大丈夫なのか。とにかく危なそうなので鶏舎から離れ家に帰りました。
18日現在、雪の重みにたえて鶏舎は持ちこたえています。

午後から県道まで200mくらいの雪かきをしました。半分くらい終了。翌16日、鶏のえさ、水やりをしたあとに県道まで残りの雪かきをしました。午後には県道まで開通し車が通れるようになりました。少しですが気持ちが前向きになりました。ただ育苗ハウスとトマトハウスを見にいく気持ちが起こりませんでした。現実逃避したかったのです。

つづく。

*昨夜更新しようとブログを書きましたが、私は先に寝てしまい、園主は途中で力尽きてしまったので、園主の実況中継はここまでです(笑)。








Posted by 百姓を目指す修行生 at 06:32

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